フリースクールとはいったい何?特徴とメリットを解説!

フリースクールとはいったい何?特徴とメリットを解説!

フリースクールという単語を聞いたことはあるでしょうか?
子供が不登校になった人や教育関係者なら聞いたことはあると思いますが、実際にそこがどのような活動をしている場所か知っている人は少ないでしょう。
フリースクールとは、簡潔に言えば何らかの原因で学校に通えなくなった人が通う、第二の学校です。
この記事では、フリースクールについての詳しい解説とその特徴、フリースクールに通うメリットについて解説しています。
子供を通わせようと検討している人はぜひ参考にしてください。

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フリースクールは学校に通えない人が通う施設

フリースクールというのは、何らかの原因で学校に通えなくなった人が通う場所です。
文部科学省の調べでは日本全国に474校あるとされており、各スクールに通っている人数は平均13.1人です。平均なので、30人近くが通っているスクールも5人程度の規模のスクールもあります。
スクールでは学校に通っていない分の勉強をするというわけではなく、それぞれのスクールごとに目的が異なっています。学習支援に徹底しているスクールもあれば、他人との共同生活に慣れるために運営するスクールもあります。
そんな学校にかよえない人にとって第二の学校ともいえるフリースクール尾主な特徴は以下の三点です。

  • 学習指導要綱に縛られていない
  • 個別指導が主
  • カウンセリングを行う

それぞれ詳しく解説します。

特徴① 学習指導要綱に縛られてない

まず一つ目の特徴は「学習指導要綱に縛られていない」ということです。
フリースクールは公的な機関ではなく、民間や個人が運営している組織です。
普通の学校であれば国に定められた学習指導要綱によって授業の回数や進め方が決められていますが、フリースクールではその学習指導要綱を守る必要がありません。
そのため勉強をしっかり進める必要もなく、学習よりも他の活動が必要だと判断すればそれを優先することもできます。反対に不登校で授業を受けていなかったけれど高校には進学したいと思う人に対しては、授業をどんどん進めることも可能です。
しかし、公的な機関ではないのでフリースクールに通っても出席したことにはなりません。出席をカウントしてもらうには元の学校の授業に出るか、高校と提携しているフリースクールに通ってフリースクールの学習で学校に出席したとみなしてもらう必要があります。

特徴② 個別指導が主

二つ目の特徴は「個人指導が主」ということです。
規模の大きなフリースクールや通信制高校が運営しているフリースクールは違う可能性がありますが、基本的に授業は個別指導です。
その理由は在籍する生徒の学年がバラバラだからです。
フリースクールには入学要件がないため、小学校から高校に通う生徒ならだれでも入学することができます。基本的に近場のスクールに通うことになるので、様々な年齢の子供が入り混じることになります。
個別指導なので一人一人に合わせた勉強方法や進度で学習が可能です。
不登校の期間が長い人や、学習障害を持った人でも安心して学習に取り組むことができる点が魅力です。

特徴③ カウンセリングを行う

三つ目の特徴は「カウンセリングを行う」です。
フリースクールは元々通っていた学校で問題が生じた人や、元々学習障害や発達障害を抱えている人のように、学校に通えない理由を持っている人が通う場所です。
元の学校に通うことが目的ではないにしても、精神状態をケアするために生徒一人一人にカウンセリングを行っている場合が多いです。
親には話せないようなことがカウンセラーの人には話せて、気持ちの整理ができることもあります。学校生活に似た環境の中で精神状態をチェックできるので、子供も気になりません。

フリースクールとサポート校の違いは運営母体

フリースクールに似たものに「サポート校」というものを聞いたことはあるでしょうか?
サポート校とは通常の学校とは別に、学習支援をする補助的な学校のことで、フリースクールに似ています。
ですが大きな違いは、フリースクールは民間や個人が行う組織であるのに対して、サポート校は国が認めている組織という点です。
そのため、フリースクールには入学資格がなく誰でも入ることができますが、サポート校は提携している通信制高校に入学していることが条件になります。
そもそもサポート校には中学校を卒業した人しか入れないといった事情があるので、高校生未満の人はフリースクールに通うことになると考えてもらって構いません。

フリースクールは目的ごとに分かれている

フリースクールは全国に474校あると言われていますが、その中にも大小規模が様々で、その運営目的もスクールごとに異なります。
その運営目的は大きく八つに分かれています。
もちろんいくつかの目的に重複しているスクールもあるのでこれは目安ですが、フリースクールを検討する際はどんな目的で通わせるのがよいか考えてスクール選びをする必要があります。
基本的には学校に通わなくなった理由ごとに決めてもらえばいいと思います。

元気に生活することを支援するスクール

元気に生活することを支援するスクールの特徴は、元の学校に再び通えるようにすることを目的としていないことです。
例えばいじめや友人関係の不和が原因で学校に通えなくなってしまった子供が、一人でふさぎ込んでしまった場合に、少しでも健康な生活を送ることをサポートします。
学校に戻ることが目的ではないので、遅れている勉強をすることはあまり重視しておらず、決まった時間にスクールに行って友達と楽しく話して遊べるような、健康的な面を重視しています。
学校には絶対に通いたくないけれど、人と合うリハビリはさせておきたいという子供におすすめです。

学校復帰のための学習を進めるスクール

学校復帰のための学習を進めるスクールは、いずれ学校に通いなおしたいと思っている子供に対してのスクールです。意味合いとしては、サポート校のイメージになります。
一時的に学校を離れている間に心を休めるのは当然ですが、学校を休んでいる間の学習を支援してもらえます。生徒の学校ごとの進度に合わせて授業が行われるので、心が回復すれば学校に戻れる状態を常に保ちます。
不登校になってから時間がたって、このままじゃいけないと思う子供におすすめです。

学習障害や発達障害の子供のサポートするスクール

学習障害や発達障害の子供のように、学校に通うのが困難な生徒のためのスクールです。
学校で原因があって不登校になった場合と違って精神的に病気を抱えてはいないので過ごし方も異なります。ほとんどの場合は専門家が在籍してサポートを行います。
学習障害や発達障害は小学校のうちにわかることが多いので、入学する時期は早いことが多いです。

医療機関と連携を取ってサポートするスクール

精神的・身体的に疾患を持った生徒が通うスクールです。
前述の専門家が在籍する学校と被っている部分はありますが、検査を行いながら生活を送れるので安心感はあるでしょう。

自宅で受けられるスクール

不登校で外出もしない子供に対してサポートを行うスクールです。
形態としては家庭教師に似ていますが、家庭教師との違いは学習面以外のことも行うという点です。
スクールのスタッフが家までやってきて、勉強・遊び・運動など様々な活動を行います。
外にでたい、学校に行きたいという気持ちを少しずつつけていくことが目的です。
子供がしたいということを積極的にやっていくという自主性も尊重しています。
子供が完全にふさぎ込んでしまってどうすればいいかわからないという方は、プロに任せるのが一番でしょう。

自然の中で共同生活をするスクール

宿泊研修のような環境で、子供の自主性を見出すためのスクールです。
年齢が違う人たちと一緒に生活することができるので、社会性や自立心を身に着けることもできます。
自然豊かな場所に建てられているスクールも多く、普通の学校生活では味わえないような体験を刻めます。健康的な生活を送ることを義務付けている学校もあれば、個人が自由に遊ぶことを目的とする学校もあるので、気になる人はどんな活動を送るのか事前に確認しておきましょう。

通信制高校が開設しているスクール

通信制高校やそのサポート校が小中学生を対象に開設しているスクールです。
実際に高校生を教えている先生が指導してくれますので、学習環境としては非常に整っているでしょう。あくまでフリースクールなので、勉強だけではなく他の生活面でのサポートも期待できます。
通信制高校は中学校までに不登校だった生徒が数多く通っているので、不登校になった小中学生に対しての指導方法や生活面のサポートには慣れている、いわばプロです。
将来的に通信制高校に進学することまで見据えるならば、検討して損はないでしょう。
授業は時間割を決められて進めるところや、個人に合わせて進めるスクールがあります。

自発的に通うオルタナティブスクール

オルタナティブスクールとは何らかの事情で不登校になった生徒ではなく、自ら本来の学習制度を嫌う人が通うスクールです。
公教育になじめずに途中で転入してくる人もいれば、小学一年生からここで学習している生徒もいます。
子供の自主性を尊重したい人は利用してみるとよいでしょう。

フリースクールの費用は高額

様々なフリースクールがあることが理解できたと思いますが、実際に通うとなると費用は高額です。
フリースクールの入会費が平均で53,000円、月謝が平均で33,000円かかるとされています。学校に在籍しながら追加的に通う施設なので、非常に高額になります。
ですが、少人数制でその人の目的に合った授業や生活を送れることを考えると、検討してもよいと思います。不登校になって家から一歩も出ないよりは、発散できる場があるのは子供としても気が楽でしょう。
もし子供を通わせることができる場合、初めのうちにどのくらいの期間通わせるか決めておくとよいです。

フリースクールに通うメリット

高額なフリースクールに通わせたくない!と思う人もいるかもしれませんが、フリースクールに通うメリットもあります。

  • 居場所ができる
  • カウンセリングが受けられる
  • 学校に行かずとも学習ができる

以上の三つのメリットが特に上げられます。
不登校で家に引きこもっているよりははるかに精力的な生活が遅れますので、参考にしてみてください。

居場所ができる

まず一番大きなメリットとしては、不登校の子供に学校と家庭以外の居場所ができます。
学校生活から離れると、家の中にずっといることになります。
家族以外の人とまったく喋らないという状況に陥ってしまうので、そのような子供には新たな居場所を提供できます。
学校と違って同じ年代の人が集まっているわけではないので、人間関係で問題になるようなことはほとんどありません。
自分はここに居てもいいんだという安心感を与えることができることが、不登校の子供にとって最も必要なことで、それを与えられるのがフリースクールでしょう。

カウンセリングが受けられる

二つ目の理由として、専門家からカウンセリングが受けられます。
友人関係の不和などで学校に通えなくなった生徒は、少なからず心に傷を負っています。
中学生くらいに成長した子供の場合、親の言うことはほとんど聞いてもらえないことも多いので、スクール生活の中で定期的にカウンセリングをしてもらえるのは非常に魅力的な点でしょう。
カウンセラーは、困っている人の話を聞くプロです。子供の新しい話し相手になることや、話していくうちに学校に通えなくなった理由がわかったり、本当にやりたいことを引き出してくれる可能性もあります。
カウンセリングを受けられるフリースクールは、精神的な回復も望めます。

学校に行かずとも学習ができる

最後に、学校に行かなくても勉強ができるという点は魅力です。
この勉強というのは、他人との交流といった社会性の学習も含みます。
家で親が勉強を教えるのもいいですが、その場合人との交流というのはどうしても身に付きません。学校生活よりも負担が少ない中で社会性を身に着けられるフリースクールは、不登校になってしまった子供に対して非常に効果的でしょう。

フリースクールを通った後の進路。中学生は通信制高校に

フリースクールは通常の学校とは異なりますので、基本的に本来の学校に出席しているとこにはなりません。小中学校の場合は義務教育なので留年することもなく進学・卒業までできますが、高校生になると卒業要件に学校への出席日数が含まれます。
そのためフリースクールに通い続けるわけにも行かないので、ほとんどの人は通信制高校という選択肢を取ります。
通信制高校は学校に通う頻度が少なく、自分で学習するペースを考えながら学習ができます。不登校だった人にも負担は少ないので、無理に全日制高校に通ったり、高校に通わずに高卒認定試験の勉強だけするよりははるかに良い選択肢でしょう。
中学校で不登校になって、高校進学まで見据えている場合は、通信制高校が運営しているフリースクールに入学するとその後の進学も楽かもしれません。

フリースクールは不登校の子供の支えになる場所!

フリースクールは何らかの事情で不登校になった子供が通う場所です。
費用は掛かりますが、目的別にフリースクールを選んで通わせることができるので、家で引き凍っている状況を打開させたいという人は検討してみてください。
中には通信制高校と連携しているスクールもありますので、高校進学まで見据えている人は通わせるとその後も楽になるかもしれません。