高校生の子どもがいじめにあったら いじめの原因と子どもを支えるために親ができること

子どもが高校でいじめにあっていたら、親はどのようにして子どもをサポートすることができるでしょう。
この記事ではいじめが起こる原因、高校生のいじめの方法などを解説しながら、親が子どものためにできるサポートについて紹介していきます。

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いじめが起きる原因

ストレスを抱えた子どもが加害者になりやすい

いじめが起きてしまう原因の一つが、子どもがストレスを抱えすぎてしまうことにあります。
家庭が厳しかったり普段から強いプレッシャーを与えられている子どもが日頃のストレスを発散させるために学校で誰かをいじめるということも多いのです。
本人がもともとイライラしやすい性格ということもありますが、場合によっては家庭環境が、子どもをいじめの加害者にしてしまう要因となることもあるのです。

加害者になりやすい子といじめられやすい子の組み合わせ

子どもの性格は様々で、中には加害者になりやすい子どもといじめられやすい性質を持った子どもがいます。
しかし、いじめっ子がいるクラスでは必ずいじめがあるかというとそうではなく、いじめられやすい子がどこに行ってもいじめにあうかと言えばそんなこともありません。
加害者になりやすい子といじめられやすい子が同じクラスになったりして出会うことで、いじめが起きる可能性が高くなるのです。

高校生のいじめの方法

高校生になったからと言って、中学までと比べていじめの方法が大きく変わるということはありません。
しかし中学までと比べてより巧妙に、陰湿になっていることがあるので注意が必要です。

SNSを使ったいじめ

特に女の子の間で多いのがSNSを使ったいじめです。
今は高校生の9割以上が携帯電話を持っていて、中学までとは違い校内への持ち込みと使用を認めている高校も多いです。
SNS上で悪口を言ったり、みんなが入っているSNSのグループに入れてあげないというように、クラスの担任ですらなかなか気づくことが難しい見えないところでの陰湿ないじめが行われていることもあります。

無視するいじめ

こちらも比較的周囲からわかりにくいいじめの方法で、ターゲットを攻撃するというよりは無視することでいじめる方法です。
周りの子どもたちも、話しかけたら自分も仲間外れにされるんじゃないかという不安から助けてあげるような行動ができず、結果的にクラス全体から無視されるということも起こりやすいです。

暴力によるいじめ

暴力によるいじめも起こることがあります。
しかし高校生にもなるといじめる側も暴力がばれないように考えていることがありますから、暴力の跡が体の見える部分にあるとは限りません。
そのため、大人も一見暴力の跡がないからと言って安心することはできないのです。
また、時には性的な暴力が行われることもあり、いじめられている子どもは恥ずかしさから誰にも相談できず一人で抱え込んでしまいこともあります。

いじめられる子に多い特徴

ではいじめにあいやすい子にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。
もしお子さんに当てはまる点があった際には、可能な範囲で親が配慮してあげることによって、状況が改善することもあります。
現状と照らし合わせながら参考にしてみてください。

気が弱くおとなしい

極度に気弱でおとなしい性格の子はいじめの対象になりやすいといえます。
コミュニケーションが苦手であることが、周囲から協調性がないとみられてしまうことがあるからです。
自らコミュニケーションを避けてしまったり、緊張しやすくてほとんど発言をしないようなこの場合いじめの対象になりやすくなってしまうこともあります。

身だしなみに問題がある

例えば髪が伸ばし放題だったり、靴や服が汚れているというように、身だしなみが原因となってさけられてしまうということもあります。
不潔だと思われて避けられてしまわないよう、子どもが身たしなみについて無頓着な場合は親がある程度配慮する必要があります。

体型などの見た目に目立つ特徴がある

いじめられる子に多く見られる要素として、何かしらの目立つ特徴を持っていることがあげられます。
例えば太っている、痩せている、背が低い、高いなど。
目立つ特徴があることで、「みんなと違う」ことを理由にいじめっ子にターゲットにされやすくなることがあるのですね。

どこにも所属していない子

例えば部活にも入っていない、休み時間も一人で過ごしていたりしてどのグループにも所属していない子はいじめのターゲットになりやすい傾向にあります。
なぜなら加害者から味方がいない弱い立場にあると思われるからです。
いじめる側もターゲットをランダムに選んでいるわけではなく、いじめても反撃してこなそうな子を選んでいることが多いです。
いじめられているから孤立するのではなく、一人でいる子がいじめられやすいということもあるのですね。

高校でのいじめは人生への影響も大きい

高校でのいじめの経験は中学以前よりも人生に与える影響が大きいと考えられます。
具体的にどのような影響が考えられるのか、ここから説明していきます。

高校生は自殺率が高い

2020年の文部科学省のデータによると、小学生から高校生の自殺者の数は479人で、前年よりも140人も増え過去最多となっています。
内訳は小学生14人、中学生136人、高校生329人。
このように高校生の自殺率は中学以前よりも高いことがわかります。
心に深い傷を負うことによって自殺まで追い込まれてしまう、そんな事態にならないよう高校でのいじめには特に慎重に対処することが必要です。

留年の危険がある

いじめが原因で登校が難しくなると、必要な単位を修得できず留年してしまう可能性が出てきます。
中学までは進級や卒業などに厳しい要件などはありませんが、義務教育ではない高校からは出席日数や必要な単位がなければ進級、卒業が難しくなります。
勉強に遅れが出ることによって場合によっては留年してしまうこともあり得ます。

進学をあきらめる場合も

不登校になり勉強についていけなくなることで、専門学校や大学への進学もあきらめざるを得なくなる場合もあります。
高校での受験対策を受けられないことと、本人の学習意欲や進学への意欲が失われてしまうからですね。
嫌がる子どもを無理に受験させることもできませんから、親も子どもの進学をあきらめなくてはいけなくなることがあります。

いじめ後遺症

いじめ後遺症というのは、維持寝られているその時だけでなく、時間が経過した後でも本人の中に残る症状のことです。
もし卒業までいじめを耐えきったとしても、心はもうぼろぼろになっていて、その後の生活にきづらさを感じながら過ごしているという人もいます。
そこでいじめ後遺症には具体的にどのような症状があるのか紹介していきます。

ひきこもりになる

学校を卒業し例えば社会人になった後でも、人とのコミュニケーションに苦手意識があったりトラウマが消えなかったりしてひきこもりになってしまうこともあります。
特に同世代の人に接するとき不安や恐怖を感じることが多いです。
たとえ成人してからでも、過去のいじめが原因でひきこもりになってしまう可能性があるのです。

うつ病になっていることもある

いじめられている子でも、つらい思いをしながらなんとか卒業まで耐える子もいます。
しかしその後も精神面のつらさが消えず、心療内科でうつ病の診断を受けるということもあります。
いじめに耐え続けた結果心の病を患ってしまうこともあるのです。

自殺に発展することも

いじめによる自殺は、いじめられているその時だけに怒るものではありません。
高校を卒業した後でも、大学で勉強に身が入らない、社会人になっても人とのコミュニケーションが怖くて仕事がうまくいかないなど、いじめが原因の生きづらさを抱え続けた結果自殺まで追い込まれてしまうこともあるのです。

子どもがいじめられていた時の対処法

ではもし子どもがいじめられていた時、親ができる対処法にはどんなものがあるのか見ていきましょう。

学校に相談

まずはいじめがあるという事実を学校に相当すること。
その際はできればいじめの証拠となるようなものがあれば提出しましょう。
いじめが起きている現場で実践的な対応ができるのはやはり学校の先生です。
タイミングによってはクラス替えの際加害者の子どもと別のクラスになるよう配慮してくれる可能性もあります。

相談窓口を使う

いじめに関する専門的なアドバイスが欲しい時には、電話相談の窓口を使ってみることもおすすめです。
また、親が悩みを抱え込みすぎてしまわないように精神的な部分の相談にも乗ってくれます。
24時間電話受付している「24時間子どもSOSダイヤル」や、弁護士に専門的な相談ができる「キッズひまわりホットライン」などがおすすめです。

【24時間子どもSOSダイヤル】
受付:24時間
TEL:0120-0-78310(なやみ言おう)

【キッズひまわりホットライン】
相談日時:毎週火・木・金曜日
受付:15:00~19:00(祝日を除く)
TEL:03-3581-1885

いじめに早期に気づいてあげるために

もし子どもがいじめの被害者になっている時、早期に気づいてあげるために必要なことについて解説していきます。

子どもが相談しやすい環境を作ってあげる

子どものいじめに早く気が付くためには、普段から子どもとの信頼関係を気づいておくことが大切です。
普段からコミュニケーションが希薄だと、例えば体にあざができていたり、普段より元気がないというような、こどもが出している小さなSOSに気づきにくくなります。
つまりは、親子関係が良好であることがいじめを早期発見することにもつながっていくのです。

いじめについて話したがらないときは相談窓口を進めてみる

もし、子どもがいじめにあっているんじゃないかと感じるのに本人がどうしても話したがらないときは、子どもにさりげなく電話相談の窓口があることを教えてみましょう。
匿名の窓口に話すことで気持ちを整理したり、ストレスのはけ口になることもあります。
匿名で電話相談ができる「チャイルドライン」がおすすめです。
チャイルドラインとは18歳までの子どものための相談窓口で、話を聞くのは「受け手」と呼ばれるボランティアの大人たち。
こんなことを相談してもいいのかな…というようなどんな些細なことでも、ただのおしゃべりでも、気軽にかけることができます。
チャイルドラインのwebページから、相談員とチャットで話すこともできます。

【チャイルドライン】
受付:毎日16時~21時(一部都道府県では時間を延長している場合もあります)
12月29日~1月3日はお休み
TEL:0120-99-7777

子どもが不登校になった時の対処法

子どもが不登校になってしまった時には、同じ学校に復帰する以外にも選択肢があります。

通信制高校へ転入する

通信制高校とは、ほとんどの授業を通学せずに、勉強をする時間、レポート提出のタイミングなど、あらゆることを自分で管理して単位を修得していくシステムの高校のことです。
全日制と比べるとかなり自由度が高く、なるべく人と会いたくないという人でも高校卒業を目指すことができます。

フリースクールに通う

フリースクールとは不登校やひきこもりを理由に学校へ通えなくなった子どもたちを受け入れ、メンタルや学習面のサポートを行う民間の教育機関です。
小学生~高校生までが通うことができ、幅広い年代の子どもが同じ場所で交流しながら、それぞれに対応した勉強をしています。
スクールにもよりますが、フリースクールへの登校が今通っている高校での出席にカウントできることもあるので、環境を変えて勉強したいという際に検討してみるといいでしょう。

まとめ

高校生のいじめの原因やいじめの方法、そして親がいじめにあっている子どものためにできる対処法について解説しました。
子どもが発するSOSにいち早く気づいてあげるためにも、そして子どもがいじめから立ち直るためにも、親のサポートが非常に大切になります。
いじめによって傷ついた子どもに、家庭を安心できる場所、自分を受け入れてくれる場所だと思ってもらえるように普段から意識しましょう。