通信制高校に転校する場合、これまでの単位が引き継げる?単位の計算方法をわかりやすく解説します!

全日制高校から通信制高校に転校するというケースは非常に多いです。
その際に、それまでの全日制高校で学習してきた授業の単位を引き継ぐことができる、ということをご存じでしょうか?
また、その単位の引き継ぎ方にもルールが存在します。
この記事では、通信制高校に転校する際の単位の引き継がれ方から、簡単な単位計算の方法まで解説しています。
ぜひ参考にして、これまで全日制高校で学習してきた単位を損しないようにしましょう。

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通信使高校は単位制!だけど、全日制高校も実は単位制

通信制高校は単位制で決められた単位数を取れば卒業ができるということは聞いたことがある人は多いと思います。
しかし、全日制高校でも同様に単位を決められていたことを知っていますか?
全日制高校の三年間で取得する単位数は通信制高校で取得するものより少し多いですが、一科目ごとに単位が設定されています。
それぞれの学校の単位について、以下で解説します。

通信制高校で取得しないといけないのは74単位

通信制高校では、合計74単位の取得で卒業要件に達します。
レポート(添削指導)を規定回数以上行い、スクーリングという学校で直接指導を規定回数受けることで単位取得ができます。
卒業するにはほかに30単位以上の特別活動が必須ですが、これは転校する際に引きつげるものではありません。
スクーリングの回数は教科によって定められています。
通信制高校は三年間の間に74単位を取ればよいので、留年の概念はありません。
卒業する際に74単位とれていなければ、4年目を過ごす必要があるだけです。

全日制高校で取得するのは、80~90単位

全日制高校はカリキュラムが自動で決められているため、単位自体ないと思われることもありますが、実際には単位が各教科で定められています。
簡単に説明すれば、週に一回入っている授業が一単位計算です。
大体の学校で一年間過ごせば30~35単位ほどが取得されるので、三年間で90単位程度を取得することになります。
また全日制の高校は学年の途中で一つでも単位を落とせば留年して、その学年で取得する単位をすべて取得しなおさなければなりません。
通信制高校よりも単位を落とすことが重たい判断なので、学校で普通に学んでいれば単位は取得できます。

通信制高校に転校するときは単位を引き継ぐことが可能

全日制高校から通信制高校に転校する場合、単位を引き継ぐことが可能です。
例えば三年生になってから転校することになったとしても、一年生の授業をもう一度学習しなおす必要はないということです。
しかし、この単位の引継ぎにはルールが存在します。
ケースによっては単位の引継ぎができなくなることもありますので、注意が必要です。
詳しくは次の項目で紹介します

単位の引き継ぎ方は転入と編入で違う!?

「転入」と「編入」という言葉の違いが判りますか?
この二つはどちらも学校に途中から入るときに使う言葉ですが、異なる意味合いです。
単位を引き継ぐことができるといってもどちらの転校方法なのかによって、引き継げる単位の範囲が変わります。
以下に違いと単位の引き継がれ方を解説しているので、確認してみてください。

そもそも転入と編入ってどう違うの?

簡単に説明すれば、前の学校から次の学校に変わるときに学校に在籍していない期間があるかどうかの差です。
「転入」の場合は、在籍していない期間がありません。
9月に全日制高校を辞めたとすると、10月から通信制高校に通い始めます。
「編入」は反対に、在籍していない期間がある場合です。
一か月でも空白の期間があれば、編入という扱いになります。

転入と編入で異なる単位の引き継ぎ方は?

転入の場合は、その学年の間に取得した単位をすべて引き継ぐことが可能です。
例えば二年生の9月に全日制高校を辞めて、10月から通信制高校に転入をするとします。
この場合、9月までに全日制高校で取得した二年生の単位を通信制高校の単位に引き継ぐことができます。

反対に編入の場合は、編入前の学校で完全に一年間経過していなければ単位を引き継ぐことはできません。
同様に二年生の9月まで在籍していたとしても、引き継げるのは一年生までに得た単位です。

転入・編入してからの単位数を確認する方法はこれだ

転入と編入では単位の引き継げる範囲に差はありますが、二年生以上になっている場合はどちらも一定数の単位を引き継ぐことが可能です。
単位を引き継げば、通信制高校で取得しなければならない単位数も相対的に少なくなります。

しかし、単位を引き継ぐには以下のような手続きが必要です。

  1. 単位数を調べる
  2. 単位取得証明書を発行してもらう
  3. 必要単位数の計算

普通はそれまでの学校で単位を持ち来す手続きの説明がされるとは思いますが、不安な人は確認しておきましょう

①単位数を調べる

転校前の学校にお願いして、自分が何単位を取得していたのかを確認する必要があります。
成績表や授業説明の冊子があれば確認できると思いますが、せっかくなので「単位取得証明書」を発行してもらいましょう。
自分が何単位取得していたか確認できます。
二年生の間に転校する場合は30単位程度、三年生の間に転校する場合は60単位程度が取得できているはずです。
一年生の間に転校する場合は、半期で単位が出る教科しか単位が発行されていないので、ほとんど引き継げる単位はないでしょう。

②単位取得証明書を発行してもらう

先ほど単位を確認すると言いましたが、「単位取得証明書」は本来次の学校に提出するものです。これを提出することで、単位の引継ぎが行えます。
「単位取得証明書」は開封してしまうと効力がなくなってしまうので、単位を確認するために自分用と二通発行してもらいましょう。
おそらく転校した後に何単位取得する必要があるかは説明してくれますので、いちいち確認するのは面倒だという人は一通だけ発行して封を開けずに次の学校へ提出しましょう。

③必要単位を計算する

自分で単位を把握しておきたい人は、修得単位数を確認しておきましょう。
通信制高校では74単位を取得できれば卒業可能なので、前学校で修得している単位数を引けば次の学校で必要な単位数は計算可能です。
例えば、前学校で30単位を修得していた場合、74-30で44単位を修得する必要があります。

可能であれば転入しよう!そのメリットは

転校する際には単位を引き継げると説明しましたが、転入するか編入するかで単位の引き継ぎ方が異なるということは理解していただけたと思います。
そこでこの二つの転校方法ですが、基本的に転入した方がよいです。
当然単位が引き継げるという点は魅力の一つですが、それ以外にも以下のようなメリットがあります。

  • 同年代の人と同じタイミングで卒業できる
  • 転入はいつでもできるが、編入はできる時期が決まっている
  • 無駄な単位を取得しなくていいからお金と時間に優しい

一つずつ詳しく解説します。

同年代の人と同じタイミングで卒業できる

転入すれば、基本的に同年代の人と一緒に卒業することが可能です。
編入してしまうとどうしても高校に通っていない空白の期間が生まれるので、下の学年と勉強することになります。
就職や大学まで行ってしまうと歳の違いは些細な問題ですが、高校生の間で年齢がずれているという事が不安な人も多いと思います。
期間を開けずに転入できる場合は、自分のモチベーションにも関わるので転入した方がよいでしょう。

転入はいつでもできるが、編入はできる時期が決まっている

転入はいつでも可能だが、編入は4月か10月からしかできないという学校がほとんどです。
単位取得に関するズレをなくすためですが、そのためにすぐに編入したいとなってもできないことがあります。
編入しようとした時期によっては高校に通わない期間が無駄に長くなってしまう可能性があるので、可能であれば転入手続きをした方がよいです。

無駄な単位を取得しなくていいからお金と時間に優しい

編入すると通年で学習していない教科の単位は消えてしまいますが、転入ならば単位を取り直す必要がありません。
通信制高校では、基本的に一単位当たりの金額が定められています。
転入することができれば無駄な単位を取得する必要がなくなるので、金銭的にも時間的にも優しいです。

通信制高校に転校するときは、全日制高校で得た単位を引き継げる!

全日制高校から通信制高校に転校する際は、それまでに得た単位を引き継ぐことが可能です。
転入の場合は転校するまでの単位が全て、編入の場合は転校する前に通年で学習した学年の単位が引き継ぐことが可能です。
せっかくそれまでの学校で勉強してきたことを無駄にしないためにも、単位修得証明書をきちんと提出できているかは確認しておきましょう。