通信制高校での学習にはどのくらい学力が必要?最終的に身につく学力についても解説!

この記事では通信制高校に入学するためにはどのくらいの学力が必要なのか、在学中の学習のレベルはどれほどのものか、そして通信制高校卒業までにどのくらい学力を伸ばすことができるかなどを解説しています。
通信制高校を検討しているけど勉強についていけるか不安。
もしくは通信制高校ではあまり学力を伸ばせないのではと不安に思っている方は参考にしてみてください。

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入試は学力よりも面接重視

まずは通信制高校に入学する時点でどれほどの学力が必要かという部分ですが、実際のところ入試の際にほとんど学力は関係ありません。
通信制高校はその時点での学力よりも生徒本人の意欲を重視した入試を行います。
そのためほとんどの学校では学力試験は行われず、書類と面接によって合否を判断するのです。

筆記試験は合否を出すためではなく学力の確認用

全ての通信制高校が学力試験を行わないわけではなく、中には書類、面接に加えて筆記試験を実施している学校もあります。
しかしながら、そういった場合も筆記の結果によって受験に落ちるということは考えにくいです。
筆記試験はあくまで現状の学力を確認して入学後の指導に活かすために行われることが多く、合否判定を行うためのものではないからです。
入試科目に筆記が含まれていたとしても臆さず、面接対策に力を入れるようにしましょう。
ちなみに入試で筆記試験を採用しているのは公立の通信制高校が多い傾向にあるようです。

基本的に通信制高校に偏差値はない

全日制の高校を受験する際には学校ごとに公開されている偏差値を参考に受験先を決めたりしますが、通信制高校には偏差値という概念がありません。
そもそも学力による合否判定を行っていないので、偏差値を出す必要がないのですね。

まれに偏差値を公開しているところもある

まれにですが、偏差値を公開している通信制高校も中にはあります。
またもし、自分の偏差値を知りたいという場合は公開模試を受けることで偏差値を出すこともできます。

通信制高校を卒業するために必要なこと

通信制高校の卒業要件は下記のとおりです。

  • 3年間高校に在籍すること
  • 74単位以上の修得
  • 3年間で30時間以上の特別活動(スクーリング)への参加

通信制高校を卒業しても、実際に身につく学力は中学生レベルなのではと言われることもありますが、高校卒業資格の取得条件は全日制も通信制も共通です。
決して中学生レベルということはありませんよ。

74単位以上を修得するために必要なこと

通信制高校で74単位以上を修得するためには下記の3つの要件をクリアする必要があります。
またそれぞれをクリアするためには自主学習を計画的に積み重ねていくことも重要ですから、計画的に学習プランを組むようにしましょう。

レポート提出

履修している教科ごとにレポート課題が課されますので、それを提出することで単位を獲得できます。
レポート自体の難易度はそれほど高くありませんので、こまめな自主学習によって基礎部分が身についていればさらに負担も少なくなります。

スクーリング

スクーリングとは特別活動とも呼ばれていて、登校を伴う授業のことです。
ホームルームや文化祭、体育祭、遠足などの活動もスクーリングに含まれます。
教科によってはスクーリングが単位認定のために必須となっている場合もあります。

テスト

ある程度の学習を終えた節目のタイミングで、まとめともいえる試験が行われますが、出題範囲はこれまでに提出したレポートの内容であることが多いです。
レポート自体がそこまで難しい内容ではないので、出題範囲分のレポートの内容を復習しておけば、テストもクリアすることができるでしょう。

大学進学レベルまで学力を上げることも可能

高校卒業レベルを目指せることはもちろんですが、卒業だけがゴールではありません。
通信制高校で大学進学レベルまで学力を上げることだって可能です。
通信制高校を卒業して、東大、慶応、早稲田などの名だたる有名大学へ進学する人もいますから、通信制高校から進学を目指すことは十分可能なのです。

高校卒業資格を取得するための最低限の学習だけでも

もちろん進学を目指すかどうかは本人次第ですから、高校卒業資格を取得するための最低限の学習のみを行うという選択もできます。
通信制高校によって様々なコースが用意されていますから、目標に応じて自分に合ったコースを選ぶようにしましょう。

入学後は生徒に合わせたコース選択で無理なく学習

通信制高校では生徒の学力に合わせたコースが用意されていることが多いです。
ここからコースごとの学習内容について説明していきます。

高校卒業資格の取得を目指す基礎コース

高校卒業資格の取得を目指す基礎コースは、卒業するための最低限の内容を確実に身に着けていくようなイメージですね。

中学の学習内容の復習からスタート

こういったコースでは中学の学習内容から入り、その先の勉強で躓くことがないよう基礎力を固めることを大切にしています。
高校の内容に入ってからできるだけ苦手をつくらないように土台作りを重要視したコースです。

基礎を定着させてから確実に単位をとっていく

単位の修得に必要なレポートやテスト。
初めに基礎を押さえておくことで、レポート課題提出のハードルが下がり、そのレポートから出題されるテストも乗り越える力になります。
そういった良い循環を身に着けることで3年間での全単位修得を目指します。

大学や専門学校への進学を目指すコース

大学や専門学校への進学を目指すコースでは基礎コースに比べれば学習スピードは速くなります。基礎コース以上に自主学習にも積極的に取り組む必要があるでしょう。

高校の学習内容に合わせて受験対策も行う

進学を目指すコースでは高校卒業に必要な勉強に他に受験対策も行うことになります。
必然的に学習にあてる時間も多くなります。
基礎を抑えることはもちろんですが、応用的な問題にも取り組んで大学や専門学校の受験に備えます。

場合によってはサポート校などでプラスの学習も必要

志望する進学先によっては通信制高校で行われる授業だけでは不十分なこともあります。
場合によってはサポート校などを利用して別途勉強が必要になります。

サポート校とは

サポート校とは、学習塾などと同じ機関によって運営されていている通信制高校のサポートに特化した塾のようなものです。
サポート自体は公的に認められた学校ではありませんので、そこでの学習が単位になることはありませんが、学習面、生活面、精神面において様々なサポートを受けることができます。

通信制高校の学習で不足している部分を補ってくれる

サポート校は通信制高校での学習についていけないときにサポートしてくれたり、通信制高校での勉強だけでは学習量が足りないときに補助をしてくれます。
スクーリング以外でなかなか先生に質問したり相談することができないときなどにサポート校で直接講師から指導してもらうこともできます。

受験対策もしてくれる

通信制高校だけでは足りない受験対策などの補助も行ってくれます。
もともと学習塾を運営している機関でもあるので、そういったノウハウを活かした受験対策を行ってくれます。

サポート校と連携している通信制高校もある

通信制高校の中にはサポート校と連携している学校もありますから、学力に不安がある、学力の向上に力を入れたいという方にはそういった通信制高校がおすすめです。

通信制高校の生徒の中でも学力に差が出ることも

同じ通信制高校に通っていても、最終的に身につく学力に大きな違いが出てしまうこともあります。
もちろん、選択するコースにとっても受けられる教育内容も異なり、学力に差が出るということもあります。
ただそれだけではなく、通信制高校の学習方法はほとんどが在宅などでの自主学習がメイン。
生徒の自主性によって、最終的な学力には大きな差が生まれやすい側面があるのですね。

目標がある人の方が学力が伸びやすい

また、目標をもって勉強している人の方がそうでない人よりも学力が伸びやすいといえます。
例えばレポートを出すためだけに勉強している人と、大学進学を目指していたり、卒業後こんな仕事をしたいからそのために高校卒業資格が必要で勉強している人を比べた時。
目標のために勉強をしている人の方が、日々の学習へのモチベーションを維持しやすい傾向にあります。
進路がまだ定まっていない場合でも、「ここまで達成したら自分にご褒美をあげよう
」のように、自分なりに勉強への意欲を維持できるよう工夫することも大切ですね。

まとめ

通信制高校ではどのくらいの学力が必要か。
そして通信制高校では最終的にどのくらいの学力を身に着けることができるのかについて解説しました。
通信制高校ではあまり学力が上がらないのでは心配される方もいますが、そんなことはありません。
本人の意欲次第で大学進学レベルの学力を身に着けることも可能ですし、それをサポートする体制もあります。
まずは学校選びが大切になりますから、しっかりと下調べをして自分の目指す学力に応じて最適なコースを選べる学校を探しましょう。
また目標をもって学習に取り組むことで、日々のモチベーションを維持しやすくなり学力も向上しやすくなりますよ。