通信制高校もコロナの影響を受けている 通信制高校コロナ禍のメリット・デメリット

通信制高校も実はコロナの影響を受けているというと以外に思われる方も多いかもしれませんね。
確かに、通信制高校は全日制高校と比べてコロナの影響を受けにくい点が多いです、
しかし、中には通信制高校だからこそ抱えてしまうリスクもあるんですよ。
今回はこのコロナ禍に通信制高校へ通うことの強みと弱みの両方について解説していきます。
これから通信制高校へ入学しようとしている方や転入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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コロナ後も、通信制高校の生徒数は増えている

2020年5月時点の文部科学省の調査によると、通信制高校に通う生徒の数はここ2年連続で最多を記録しています。
このコロナ禍でも、通信制高校を選ぶ人が増え続けているんですね。
今や高校生の15人に1人が通信制高校に通っていることがわかっています。
その背景にはコロナが影響した理由の多いのです。

通信制高校の生徒が増えている背景

では通信制高校に通う生徒が増えている背景について具体的に解説していきます。

コロナが原因の不登校

まずはコロナが原因の不登校。
コロナ休みによって多くの学校が休校措置をとりましたよね。
中には1ヶ月ほど休耕期間が続いた学校もあります。
その休校の間に学校へ通う意欲が失われてしまい不登校になってしまうことがあるのですね。
通信制高校は不登校になった子どもたちの受け入れも多く行っていますから、コロナが原因の不登校をきっかけに通信制高校へ転入する生徒も増えています。

親子仲の悪化

もう一つ不登校の原因となるのが親子仲の悪化です。
今は親御さんもリモートワークが増えていることもあり、家で子どもと一緒に過ごす時間も増えています。
コミュニケーションが増えることで仲良くなることもあれば、衝突が多くなる場合もあります。
そうなると、子どもの親に反発する気持ちが、学校に行かないという行動に表れてしまうことがあり、不登校になってしまうこともあります。

親の収入が減っている

コロナ禍で親の収入が減っているのも通信制高校へ通う子どもが増えている理由の一つです。
通信制高校は全日制の高校と比べてトータルの学費が安いことが多いので、コロナを機に通信制高校を検討する親が増えているのです。

コロナ感染を警戒して通信制高校に転入する

全日制の高校は基本的に学校へ登校して集団で授業を受けますよね。
ただそれだと、どうしても人との接触が多くなり感染のリスクが心配になります。
通学に公共の交通機関を利用しているお子さんであればなおさらですね。
一方通信制高校は在宅での学習が中心ですから、全日制寄りのかなり感染のリスクを避けられると考えて、通信制高校を選ぶ親が増えているのです。

時間を有効に使いたい人が通信制高校を選んでいる

今はかつてと比べて通信制高校の地毎度もかなり上がっています。
通信制高校は、いじめを受けたり不登校の子どもが通うところというイメージを持たれやすいです。
しかし今では、時間を有効に使いたい、勉強以外にも力を入れて取り組みたいことがある、という人も通信制高校を選んでいます。

通信制高校の強み

ではコロナ禍において通信制高校の強みとは一体何かを解説していきます。

通信制高校は通学が少ない

すでに少しお伝えしていましたが、通信制高校は全日制高校より圧倒的に通学が少ないことが多いです。
全日制の1クラスはおよそ40人ほどであることが多く、一つに教室に40人もの生徒が集められる、いわゆる「蜜」の空間で勉強することに対して不安を感じる方も多いと多います。
その点通信制高校は在宅での勉強がメインで、登下校がないことも感染リスクを抑えることにつながります。

もともとオンライン授業を取り入れている

通信制高校はコロナ前から在宅で学習をするスタイルでしたから、すでにオンライン授業に対応している学校も多くコロナ禍の生活に順応しやすいです。
全日制高校はコロナがはやり始めて急にオンライン授業の準備を始めることになりますから、タブレット端末などの備品をそろえたり授業の仕方も手探りの中対応しなければいけません。
一方通信制高校はすでに設備もあり教員もオンライン授業に慣れているため、コロナ禍でも授業に影響が出にくいといえます。

登校しても少人数の授業が多い

通信制高校は全く登校が必要ないかと言えばそうではありません。
全日制ほどではありませんが、スクーリングという通学して受ける授業もあります。
ただ通信制高校の授業は少人数で行われることが多く、比較的「蜜」な状態になりにくいところがポイントですね。

転入しやすい

コロナを機に通信制高校への転入を考えている方も増えています。
しかし高校生の転入の手続きは手間がかかるのではないか、また受験勉強が必要なのではと心配している方も多いのではないでしょうか。
通信制高校は不登校の生徒を多く受け入れていることもあり、転入に対して柔軟に対応してくれます。
また全日制に転入する場合は原則として国語、数学、英語などの試験を行いますが、通信制の転入試験は学力試験がなく、書類と面接で判断されます。
このように通信制高校の転入のしやすさもメリットの一つです。

通信制高校だからこそのリスク

ここまで通信制高校の強みについて説明してきましたが、安心してしまうのは早いです。
コロナ禍の今、通信制高校だからこそ抱えてしまっているリスクがあることも知っておきましょう。

広域通信制高校

広域通信制高校とは、3都道府県以上の広範囲から生徒を集める通信制高校のことです。
広域通信制高校は、都市部に拠点となる教室を設けて、スクーリングの際には隣県も含めてその拠点に生徒が集まり、手段授業を行うことで単位認定をしています。
今この広域通信制高校が増えていることによって通信制高校でもコロナ感染のリスクが高くなることがあるのです。

スクーリングは行われている

コロナの影響で夏休みを延長する全日制の学校も多い中、通信制高校では夏休み期間中もスクーリングを行っているところが多くありました。
緊急事態宣言下でも登校しての授業が行われていたということですね。
中には県外から泊まり込みでスクーリングを受ける生徒もいて、人ごみの中での買い出しなどが心配されます。

県をまたいで生徒や教員が集まる

都心にある拠点に県をまたいで生徒や教員が集まることで、感染拡大のリスクが増えるのではという心配もあります。

スクーリングが行われる理由

ではなぜ、このようなリスクがあるにも関わらず通信制高校はスクーリングを行うのでしょうか。
その理由をここから解説していきます。

単位修得のために必要だから

通信制高校は全日制高校に比べて登校することが少ないですが、その代わり卒業するために一定のスクーリングの授業を受けることがは必要です。
つまりスクーリングは卒業に必要な単位を修得するために必ず必要だということですね。

短期間に集中的にスクーリングを受ける生徒が多い

通信制高校では決まった時間割などはなく、自分で学習スケジュールを組んでいきます。
通信制高校に通う生徒の中には、できるだけ人と会いたくない、できるだけ登校数を少なくしたいと考える人も多いです。
そのため、例えば二日間の間にスクーリングの授業を複数コマ入れて登校数を減らそうとする人も多いのですね。
遠い場所から通っている人などはその際泊まり込みになることもあり、コンビニや飲食店の利用が増えることも心配です。

文科省によるスクーリング免除の対策

2021年1 月14に文科省はコロナ禍のスクーリングについて全国の通信制高校に事務連絡を出しています。
その内容について要点をまとめています。

スクーリングの時間を最大8割免除

文科省の文書によると、ICTなどを活用した教育活動を行う場合は面接指導の時間数を10分の8以内で免除することを認めるとあります。
ICTとはオンラインの授業、面接指導はスクーリングに置き換えて考えられますので、つまりオンラインを取り入れた授業が行えるならスクーリングを10分の8まで減らしていいということになります。

スクーリングがなくなることはない

しかし見方を変えれば、コロナ禍や緊急事態宣言の中であっても10分の2はスクーリングをしなくてはいけないということでもあります。
通信制だからと言って完全に安心というわけではないのですね。

やむをえない場合の対応が明確ではない

また、文科省の文書には「新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い、やむを得ず学校に登校できなかった生徒」に関して「単位の修得及び卒業認定等に当たっては、弾力的に対処し、生徒に不利益が生じないよう配慮すること」とも記されています。
柔軟な対応をしてもいいというように受け取れますが、「やむを得ない場合」の基準については具体的な記載はなく、非常に曖昧だといえます。
学校のスタッフも具体的な対策を考えるにあたり悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

通信制高校が行うコロナ対策の例

では通信制高校はそのほかにどんなコロナ対策を講じているのか、一例を紹介していきます。

健康観察

通信制高校では特にスクーリング前の体温チェックを徹底しています。
例えばスクーリング1週間前から体温を測って体調管理シートに記入し、期間中に感染が疑われる少将などが出ていないか観察します。

緊急修学支援

通信制高校の中には緊急修学支援という独自の支援を行っているところもあります。
在籍しているすべての生徒に一律の支援金を給付したり、学費の延納、分納などの対応によって経済的に困窮している家庭のサポートを行っています。

文科省のマニュアルに基づいた感染対策

「感染源を断つこと」「感染経路を断つこと」「抵抗力を高めること」を意識した文科省のマニュアルに基づいて感染対策を行っています。
マスクを正しく着用し消毒を徹底して行うことで、安心して学校生活を送れるよう努めています。

まとめ

コロナ禍における通信制高校の強みと、通信制高校だからこそ抱えるリスクについて解説しました。
コロナの影響もあり、この機に通信制高校を検討している家庭も多いのではないかと重います。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、最適な選択をしていただきたいと思います。